2023年春号
2023年3月6日発売
B5判・228ページ 定価1,550円(税込)
お知らせ
最新号について
-
特集
カズオ・イシグロ
現代イギリスを代表する作家カズオ・イシグロ。
長崎で生をうけた彼は、日本、イギリス、中国を舞台にした小説、近未来を描くSF小説など、国家やジャンルを横断して書き続け、2017年にノーベル文学賞を受賞してからも、創作実験を止めることはない。
脚本を担当した映画『生きる LIVING』(黒澤明の名画『生きる』が原作)の日本公開も控えるイシグロの物語世界を徹底的に解読する。
Part1 創作の秘密にせまる
日吉信貴/カズオ・イシグロと「日本人らしさ」――日本語圏の読者に向けたイシグロ入門
中島京子/わたしの好きなカズオ・イシグロ
斎藤兆史/ここはどこ? 「私」は誰?――イシグロの語りのからくり
森川慎也/イシグロの創作術
古川日出男/カズオ・イシグロの不穏さに惹かれて
温 又柔/文学のふるさとをたずねて
助川幸逸郎/『クララとお日さま』が示す「格差」と「分断」への処方箋
戸田 慧/私たちの抵抗と服従――漫画『約束のネバーランド』と小説『わたしを離さないで』
日吉信貴/カズオ・イシグロ作品解説
Part2 広がり続けるイシグロ世界
町山智浩/「カズオ・イシグロが選ぶ一〇本の映画」に作品の源流をさぐる
渡辺 謙/小野益次を演じて――『浮世の画家』と世界のなかの日本
ピーター・バラカン×大森さわこ/なぜ、『LIVING』と『生きる』は傑作なのか?
オリヴァー・ハーマナス/『生きる LIVING』が受け継ぐ七〇年前からの問いかけ
福岡伸一/友愛、対立、断絶――記憶をめぐる物語
大森さわこ/カズオ・イシグロ映画の世界
マーク・ロマネク/映画『わたしを離さないで』は、ラブストーリーだ
後藤正文/『わたしを離さないで』の衝撃――音楽から文学へ、文学から音楽へ
馬飼野元宏/カズオ・イシグロの映像化作品
-
kotobaの人
吉田鋼太郎/人間のどうしようもなさを感じるために演劇はある
連載
大岡 玲/写真を読む
山下裕二/美を凝視する
宇都宮徹壱/Jリーグ清算~前チェアマンが語る危機の真相~
木村草太/幸福の憲法学
吉田太郎/シン・オーガニック ほんもの有機で環境と健康を取り戻す
嬉野雅道/だから僕らは出会わなければならないのです。
山口二郎/日本はどこで道を誤ったのか―― 失われた三〇年再訪
河部壮一郎/デジタル時代の恐竜学
水野和夫/資本主義の超克
橋本幸士/物理学者のすごい日常
大澤真幸/我々の死者(を超えて)
阿部公彦/日本語「深読み」のススメ
阿川佐和子/吾も老の花
おほしんたろう/おほことば
kotobaの森
著者インタビュー/宇野重規『日本の保守とリベラル 思考の座標軸を立て直す』
マーク・ピーターセン/英語で考えるコトバ
大村次郷/悠久のコトバ
町山智浩/映画の台詞