2018年夏号
2018年6月6日発売
B5判・228ページ 定価1,440円(税込)
お知らせ
最新号について
-
特集
日記を読む、日記を書く
永井荷風、夏目漱石、南方熊楠、湯川秀樹、かこさとし、植草甚一、アンネ・フランク、ベートーヴェン、アナイス・ニン……。
市井の人はもちろん、文人、芸術家、政治家まで、多くの人々が様々な日記を残してきた。
本来個人的な日常の記録だったはずの日記は、ときに、筆者の思惑を超えたドラマを生み出す。
そこには本人の意識を超えた思考の流れ、虚構の世界が展開されているかもしれない。
日記には、小説、ノンフィクションにはない表現の可能性が秘められているのだ。
日記をめぐる前代未聞の探索を存分にお楽しみください。Ⅰ 非常と逸脱の深淵を垣間見る
小沼通二 一九四五年、湯川秀樹の日記
中島岳志 煩悶と革命―大川周明、若き日の日記
春日武彦 病んだ心と大学ノートの日記帳
鹿島 茂 性愛を蒐集する男、自己愛を投影する女
あの日の日記 二・二六事件
Ⅱ 日記に書かれた冒険と異国
服部文祥 遺書代わりの登山日記
宮永 孝 幕末の曲芸団、海を渡る―高野広八日記―
小森陽一 「日記」の中の世界情勢
―夏目漱石『倫敦消息』の「回転」と「波瀾」―あの日の日記 東京オリンピック開幕
Ⅲ 大いなる日常、ささやかな日常
志村真幸 日記から読み解く熊楠の実像
奥本大三郎 真実を書きすぎた男―『ルナール日記』再訪
井上修一 父・井上靖の戦中日記
志良堂正史 一二〇〇冊分の人生を覗いた男
鈴木万里 戦前絵日記に見る、絵本作家加古里子の素顔
仲俣暁生 永井荷風と植草甚一の日記を読む
平野 昭 自らを鼓舞する楽聖の日記
鈴木貞美 「日記」の彷徨
あの日の日記 ジョン・レノン殺害
Ⅳ 創作と日記のはざまにある真実
穂村 弘 詩と日記の境界
みうらじゅん わたしが日記を盛る理由
小林エリカ 親愛なるキティーたちへ2018
真田幸治 日記をつくる―小村雪岱と泉鏡花の出会い
-
スペシャル
柳橋 閑
ジブリ美術館新館長が語るスタジオジブリの横顔対談
竹内 誠 × 川添善行
歴史家と建築家が考える、東京の「これまで」と「これから」インタビュー
連載
大岡 玲 写真を読む
山下裕二 美を凝視する
松原隆一郎 普遍と特殊
アレックス・カー ニッポン巡礼
高坂はる香 インドはオペラを歌う
井出 明 ダークツーリズムと世界遺産
泉 賢太郎 地層ブラブラ
松本 修 方言分布図でたどる日本の心
浜 矩子 通貨という不思議
井手英策 新自由主義と僕たちの自由
池澤夏樹 理科のレッスン
四方田犬彦 女王の肖像
久世番子 文豪カフェーめぐり
kotoba倶楽部
著者インタビュー 新井紀子 『Ai vs. 教科書が読めない子どもたち』
大村次郷 悠久のコトバ
山口 進 人は何を食べてきたか
町山智浩 映画の台詞