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2017年夏号

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2017年6月6日発売
B5判・256ページ 定価1,440円(税込)

お知らせ

2017年夏号について

  • 特集

    大人のための『ファーブル昆虫記』

    ファーブルの『昆虫記』に夢中になったかつての昆虫少年たちはご存じだろうか。
    『完訳 ファーブル昆虫記』は大人が読むべき博物学の名著だということを。
    詩情あふれる文章だけでなく、その内容も今もって古びてはいない。
    ファーブルの自然理解を当時、高く評価していたのは進化論の巨人ダーウィンだった。
    ファーブルの研究が、ダーウィンの進化論に対する徹底的な反駁であったにもかかわらず――。
    知られざるファーブルの世界。生物たちの多様性や神秘性を再発見したい。

    Foreword

    奥本大三郎 『昆虫記』の誕生

    Part 1 ファーブルと進化論

    福岡伸一
    ファーブルより受け継がれるナチュラリストの矜持
    荒俣 宏 大人になってわかった『昆虫記』の魅力
    池田清彦 本能行動の獲得は自然選択では説明できない
    倉谷 滋 学者ファーブルの言葉から浮かび上がる逆説的イメージ
    吉川浩満 進化論ぎらい
    Column1 ダーウィンとファーブルの往復書簡

    Part 2 ファーブルから学んだ

    養老孟司 ファーブル賛歌
    山口 進 ファーブルの箱庭から地球共生系へ
    幸島司郎 「知りたい」欲求が、人を突き動かす
    今森光彦 ファーブルから学んだ「生命の尊厳」
    丸山宗利 ファーブルと多様性
    小松 貴 稀代の博物学者ファーブルの功罪
    奥本大三郎 異端者の視線
    内山昭一 自然の“美食家”がつくる、虫の食卓ワンダーランド
    海野和男 虫がこれから何をするかを予想する
    Column2 詩人・教育者としてのファーブル

    Part 3 ファーブルの時代

    鹿島 茂 時代の移行期を生きたファーブル
    大野正男 日本人とファーブル──日本ファーブル史序説
    JP・リュマレ 複雑な人格、ジャン=アンリ・ファーブル

    Part 4 ファーブルがつなぐ

    郷右近勝夫 ファーブルが種をまいた日本のハチ学
    越智輝雄 ファーブルと日本の糞虫研究
    『昆虫記』に残された宿題
    ファーブルをもっと深く読み解く一〇冊+『昆虫記』

  • 小特集

    山口 進 地球の昆虫に会う
    酒井順子 現代の日本の男尊女卑事情
    鈴木直文 オリンピックが連れてくる「祝賀資本主義」にどう備えるか

    対談

    中野剛志×柴山桂太
    ポピュリズムを日本人はなぜ見誤るのか?
    高野秀行×清水克行
    世界の名著とハードボイルド読書会
    夢枕 獏×岡村道雄 縄文探検隊が行く!

    連載

    池澤夏樹 科学する心
    川添善行 空間を再考しよう
    角幡唯介 冒険論
    松本 修 方言分布図でたどる日本の心
    三木義一 税のタブーを考える
    四方田犬彦 女王の肖像
    井手英策 新自由主義と僕たちの自由
    浜 矩子 通貨という不思議
    斎藤貴男 戦争経済大国への妄想ふたたび
    大澤 聡 歩み寄りを引き出すデザイン
    赤坂憲雄 戦後知の戯れ
    木村草太 思考する憲法、実践する憲法
    鹿島 茂 テンプル騎士団の遺産
    若松英輔 いのちに火を灯すもの 佐藤初女
    岡田 晃 明治の産業革命遺産

    レビュー

    [著者インタビュー]藤田孝典『貧困クライシス』
    [書評]安冨歩
    [映画]町山智浩