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2017年夏号について
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特集
大人のための『ファーブル昆虫記』
ファーブルの『昆虫記』に夢中になったかつての昆虫少年たちはご存じだろうか。
『完訳 ファーブル昆虫記』は大人が読むべき博物学の名著だということを。
詩情あふれる文章だけでなく、その内容も今もって古びてはいない。
ファーブルの自然理解を当時、高く評価していたのは進化論の巨人ダーウィンだった。
ファーブルの研究が、ダーウィンの進化論に対する徹底的な反駁であったにもかかわらず――。
知られざるファーブルの世界。生物たちの多様性や神秘性を再発見したい。Foreword
奥本大三郎 『昆虫記』の誕生
Part 1 ファーブルと進化論
福岡伸一
ファーブルより受け継がれるナチュラリストの矜持
荒俣 宏 大人になってわかった『昆虫記』の魅力
池田清彦 本能行動の獲得は自然選択では説明できない
倉谷 滋 学者ファーブルの言葉から浮かび上がる逆説的イメージ
吉川浩満 進化論ぎらい
Column1 ダーウィンとファーブルの往復書簡Part 2 ファーブルから学んだ
養老孟司 ファーブル賛歌
山口 進 ファーブルの箱庭から地球共生系へ
幸島司郎 「知りたい」欲求が、人を突き動かす
今森光彦 ファーブルから学んだ「生命の尊厳」
丸山宗利 ファーブルと多様性
小松 貴 稀代の博物学者ファーブルの功罪
奥本大三郎 異端者の視線
内山昭一 自然の“美食家”がつくる、虫の食卓ワンダーランド
海野和男 虫がこれから何をするかを予想する
Column2 詩人・教育者としてのファーブルPart 3 ファーブルの時代
鹿島 茂 時代の移行期を生きたファーブル
大野正男 日本人とファーブル──日本ファーブル史序説
JP・リュマレ 複雑な人格、ジャン=アンリ・ファーブルPart 4 ファーブルがつなぐ
郷右近勝夫 ファーブルが種をまいた日本のハチ学
越智輝雄 ファーブルと日本の糞虫研究
『昆虫記』に残された宿題
ファーブルをもっと深く読み解く一〇冊+『昆虫記』 -
小特集
山口 進 地球の昆虫に会う
酒井順子 現代の日本の男尊女卑事情
鈴木直文 オリンピックが連れてくる「祝賀資本主義」にどう備えるか対談
中野剛志×柴山桂太
ポピュリズムを日本人はなぜ見誤るのか?
高野秀行×清水克行
世界の名著とハードボイルド読書会
夢枕 獏×岡村道雄 縄文探検隊が行く!連載
池澤夏樹 科学する心
川添善行 空間を再考しよう
角幡唯介 冒険論
松本 修 方言分布図でたどる日本の心
三木義一 税のタブーを考える
四方田犬彦 女王の肖像
井手英策 新自由主義と僕たちの自由
浜 矩子 通貨という不思議
斎藤貴男 戦争経済大国への妄想ふたたび
大澤 聡 歩み寄りを引き出すデザイン
赤坂憲雄 戦後知の戯れ
木村草太 思考する憲法、実践する憲法
鹿島 茂 テンプル騎士団の遺産
若松英輔 いのちに火を灯すもの 佐藤初女
岡田 晃 明治の産業革命遺産レビュー
[著者インタビュー]藤田孝典『貧困クライシス』
[書評]安冨歩
[映画]町山智浩